人物クロッキーについて

こんにちは。マンガコースです。
当コースでは複数の課題を用意しており、ある程度の順番はありますが、受講される方のレベルや要望に合わせて組み合わせを自由に変更できるようにしています。とは言え、課題名だけ見ても「具体的にはどんなことをするのか?」「この課題の目的は何か?」ということは、分かりにくいかもしれません。

体験入学をしていただいた方にはその時に簡単には説明させていただくのですが、初めての場所に来て色々な説明を一度に聞いて覚えておく事は難しいかと思います。ですので、こちらで簡単にそれぞれの課題について解説していこうと思います。
2回目となる今回は『人物のクロッキー』についてです。

人物クロッキー自体は、他コースの講師担当でのクロッキーセミナーや、プロのモデルの方を呼んでの人物クロッキー会などが開催されています。

そちらでは実際のモデルを見ながらクロッキーをするのですが、マンガコースの課題として描いていただくものでは、『人物写真を見てのクロッキー』になります。

この課題では着衣のない人物写真を見本に、まずはじっくり見ながら描いていただきます。手と同じく、デフォルメはしないように気をつけて、手よりも複雑な形になる上に縦に長いので、頭に対する体のそれぞれの部位の大きさ・位置バランスも気をつけます。

身体の図1

こちらの場合、頭部が大きくなって体とのバランスを崩してはいますが、手足の部位の形状はきちんと見て描くことが出来ています。また、『真っ直ぐ立っている』と決めつけて描くと、前のめりになったり後ろに倒れがちなのですが、実際の形通り、弓なりに体をそらせることにも注意できています。

しっかり見て描くことができた後は、今度は見本の写真もご自身が描いた絵も隠して、思い出して描いていただきます。
これは、普段から周りをよく見て頭の中に色んな画像をストックしておき、きちんと紙に描き出す…というための練習になります。

身体の図2

一度じっくり見ながら描いた後、すぐに思い出しながら書き出した場合でも、やはり無意識に普段の描き方をしてしまいがちです。

今回は頭の大きさのバランスはとても気にして描いていただけたので良くなっているのですが、『真っ直ぐ立っている』ということに捉われて、下半身をそのままの流れのラインで描いてしまい、足が前に出た格好になってしまいました。
また、普段描かれているキャラのスタイルが手癖で出てしまったので、柔らかい体になりすぎています。
デフォルメした女性の絵としては柔らかさが出ることは良いことなのですが、今回は写真を忠実にクロッキーすることが目的なので、もうすこし骨を意識したラインになっても良かったかもしれません。

身体の図3

最後にもう一度写真を見ながら、何が違っていたのかに注意しながらクロッキーをします。
今回はしっかり膝下から後ろに曲がっているので、きっちりと立つことが出来ています。
また、硬さも意識されて、肩やひざの骨の部分もしっかり表現できています。ただそちらに注意をした分、また頭の大きさに対する体のバランスが崩れてしまったのは残念。

このような手癖はすぐに直るものではないので、出来るだけコツコツ練習を重ねていきましょう。雑に描いては意味がありませんが、気を付けて丁寧にしっかり描いていけば、描く量が少なくても着実に画力向上につながっていきます。

教室ではこの後引き続き座っているポーズも同じように描いていただき、そこでクロッキーは終了になります。

けれどできればその後も、ご自身でトレーニングしたりセミナーに参加するなどして、クロッキーを継続されることをお勧めします。

ご自身で練習したものを持ってきていただければ、課題と同じように講師がチェックさせていただきますので、頑張ってみて下さいね。