iMacの修理・・・リフローの話と新しいMacについて

こんにちは、アートイラストコース のオカモトです。

受講生用に以前から使っていたiMac 27inchが立ち上がらなくなり、新しいiMacを学校が用意してくれたのですが、画面が広いし綺麗し、Illustraterの基礎を教える分には十分に使えるPCなので、何とか復活できないかといろいろと試した話をしようかなと思います。
ブログの内容としてはイラストの技術とはまったく関係なくもないということで、ご容赦ください(笑

故障したiMacには3.1GHzクアッドコアの第2世代Intel Core i5が入っており、MacOSこそHigh Sierraまでですが、メモリ12GでもIllustrater CCがしっかり動いてくれます。

立ち上がらなくなったのは約2ヶ月前のことで、起動音がしてプログレスバーが途中で止まったままという状態でした。 思えば以前のMacでも画面に筋が入り起動しなくなったことがありました。そのときはAppleで無償交換してもらい事なきを得ました。

今回のトラブルはハードディスクかと思い、外付けのドライブやUSBから立ち上げてみたけれど、変化なし。ネットからのリカバリーもダメということで、もしや前のMacと同じ症状ではないかという結論に至り(少ない経験から)ネットであれこれ調べみたのでした・・・

で、たどりついたのが「リフロー」というキーワード・・・これがなんなのかは順に説明していきたいと思います。

というわけで、iMacを分解していきます・・



上の写真は液晶のパネルです。でかくて重いです。

カバーのガラスは磁石でくっついているだけなので、吸盤でぽこっと外れます。 しかし、この液晶パネルは本体と4本のケーブルで繋がっていて、外すのに注意が必要です。電源や信号のケーブルはロックがかかっていますので慎重に外します。

そして下の図がiMacの内部です。 ここからさらに分解していくので写真を撮って配線を記録しておきます。



狭いスペースにぎっしりと色々なものが配置されています。

まるでノートPCの中を見てる様な、狭い内部をいかに冷却するかという工夫が見られるのではないでしょうか?・・・楽しいですね!?

目的のパーツにはまだまだ長い道のりがあります。とりあえず配線をポスカなどでチェックして、外したネジの種類も長さも記しておきます。 たくさんの配線とネジを外すとマザーボードが取り外せます。

下の写真・・・これがマザーです! ちょっとスチームパンクっぽいですね。



到達目標は上の写真の赤丸のところ。
GPU (Graphics Processing Unit)と呼ばれるモノのあるモジュール。ビデオカードまたはグラフィックボード、俗にグラボと呼ばれる部分です。パソコンの表示性能に関わる部分ですね。

右下のCPU(中央演算処理装置)に比べて発熱が多そうな物々しさです。
下の写真はマザーボードからグラフィックボードを外しているところです。



はい、現れました。(下の写真) すごい密度でパーツが並んでますね。 あの銅のパイプに繋がっている部分は冷却するための大きな空冷フィンです。

4本のネジで止められた、陸橋みたいなパーツの裏にGPUがあります。
裏返してネジを外してみましょう!



ようやく現れました! 
下の写真の赤で囲ったパーツがGPUです。 
右側が銅のパイプに繋がっているヒートシンク(冷却パーツ)です。

熱伝導グリスがあちこちに付いていますね。(自分が付けたもですが、撮影のため再度外しました^^; )

このiMacの症状からGPUに問題があるということを、多くのネット情報から得たわけですが、今回、このグラフィックボードの交換ではなく、リフローという方法を使って復活させようというのが狙いでした。



リフローとははんだ付けのひとつの方法とのことですが、あらかじめ基盤に付けておいたはんだを再び溶かしてICなどのパーツを一度に付けるという技術だそうです。

このiMacのGPUまわりが、度重なる起動とシャットダウンで、熱膨張伸縮などで一部のはんだにクラックが起こり接触不良が出たということでしょうか・・・とにかく素人には荒療治にも思える技で直すわけですね。



リフロー用の専用の道具があるそうですが、今回はこれを使いました(上の写真)・・・
ヒートガンです。グラフィックボードをオーブンで焼く方もいるそうですが、ちょっと怖いですね。

このヒートガンを300℃に設定して約3分間、3cmくらい離してGPUあたりに集中して当てます。この数値はいろいろな人のデーターから推測したもので、多少遠慮気味で適当です。ダメだったらまたやり直すって感じで。

組み立て直し・・・





ジャーン・・・見事、復活しました!

元気な頃のiMacの画像ではありません。ほんとに復活しました!
なんでもやってみるもんですね。
またいつ壊れるかはわかりませんが、当分はデジタル授業の予備として使おうと思います。

そして、今回のおまけですが、ついでにHDDからSSDに入れ替えました。



スイッチオンから立ち上がるまで約27秒。
アプリの起動も早く快適です。

予算があればCore i7に載せ替えたり、新しい通信モジュールに交換したり(この機種ではAirDropが新しいiPadと通信できないので)したかったのですが、MacOSがHigh Sierraまでしかサポートされないので、今回はこれで終わりとします。

余談ですが、先日、AppleからM1チップ(CPU)搭載のMacが発売されました。ベンチマークとかエミュレーターの性能とかが気になっています。Appleは以前にもチップをいきなり変えるというのを度々やってきたように思いますが、そのたびに使ってたアプリが使えなくなるということがありました。動向を楽しく見ていけたらなと思います。

以上、アートイラストコース のオカモトのブログでした。
読んでいただき、ありがとうございました!

オカモトショ ーゾー

オカモトショーゾー
Profile
大阪府出身
Nordbrücke版画工房に従事しリトグラフを制作。
1982年大阪靭ギャラリーにて初個展。
造形教室を主催し、油彩や3DCG、
ペーパークラフト、フィギュアなどを制作。
大阪市都市協会ギャラリーにて優秀賞受賞。
ペパクラデザイナーコンテストにて最優秀賞受賞。
Message
変わらない大事なことも多いですが、
技術や流行は変化し流動的です。
同じく個人の世界も絶えず変化しているのでしょう。
そんな中でみなさんといっしょに表現するすべを
楽しくあるいは迷いながら発見し、
学んで行けたらと思っています。
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