版画の多様な表現効果・技法と手法~コラグラフ・タブロー

初めまして、今年度から版画コースの講師を務めさせていただきます。柴田若奈と申します。
今年の3月に京都市立芸術大学の大学院を修了いたしました。 今日は新講師の自己紹介を兼ねて、普段の制作について記事を書きたいと思います。


1.素材を組み合わせて版を作成する「コラグラフ」技法の魅力

私は版画の中でも特に「コラグラフ」という技法を応用し、作品を作っています。
コラグラフの「コラ」は「コラージュ」が語源となっており、名前の通り版に素材を塗ったり貼ったりして凹凸を作り、そこにインクを詰めて刷る技法です。



私が制作にコラグラフを選択した理由は、素早く・直感的に製版できるためです。 作業工程がシンプルなため、いくつかの版を同時に制作することが可能です。数多くの試行を重ねることで、より面白い表現を研究できると感じています。


版画について本格的に学び始めたのは、大学3年生の秋からです。それまでは油画専攻で、主にタブローについて勉強していました。その経験も、今までの作品に生きていると思います。

2.美術絵画表現の概念「タブロー」について

タブローは美術や視覚表現の中で、静止した場面や絵画的な配置を通じて物語性や感情を表現 する手法や概念を指します。
フランス語では「絵画」や「絵画のような」という意味を持ちます。
美術絵画の様々な場面での人物や風景の配置や構図がタブロー的な要素を持っていることがあり、写真撮影や映画のシーン構成においても、タブローの概念が活用されます。

タブローは、静止した状態や固定された構図を通じて、美的な魅力や物語性を引き出す効果があ ります。人物やオブジェクトの配置やプロポーション、光と影の使い方など、緻密なデザインや構 成力が求められます。
また、タブローは観る者に対して物語性や感情の余白を与え、自由な解釈や感じ方を促すことも あります。

3.版画の醍醐味~完成が予測できない面白さ

版画の楽しいと感じるところは、刷るまでどのような絵が出来上がるか、作者にもわからないところです。プレス機からフェルトを上げて紙を剥がすときは、いつもワクワクしています。
想定と違うものができることも珍しくありませんが、稀に自分の制御を超えた作品が刷り上がった時は、とても嬉しいです。



 コラグラフの他には、銅版・木版・リトグラフ・シルクスクリーンの制作経験があります。他にも紙版画やサイアノタイプを制作したことがありますので、版画コースでは可能な限り、様々な技法のニーズにお応えできるよう務めたいと思います。 これからどうぞよろしくお願いいたします。



2023,5 柴田若奈





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