webtoonってなんだろう?

こんにちは。アートスクールマンガコースです。

今回のブログでは、ここ数年でよく聞くようになった縦読みマンガのwebtoon(ウェブトゥーン)とはどんなものか?
そしてどのように制作されているのか?を少しご紹介したいと思います。

まずはwebtoonとはどういうマンガなのか?をご紹介したいと思います。
普段皆さんが見慣れているのは、雑誌やコミックスでよく見かける1ページ単位ごと(実際は見開き単位ごと)の横読みのマンガだと思います。
最近は着彩してオールカラー版として発売されることも増えてきましたが、基本はモノクロが主流です。
(オールカラー版の着彩自体は、そのマンガの作者さんがするのではなく、別の方がすることが多いです。)

今回ご紹介するwebtoonは基本フルカラーで、ページ単位ではなく、コマを縦に並べて、縦方向に読ませるシンプルなマンガになります。
スマホ画面と相性が良く、縦にスクロールすることで作品を読んでいきます。
初期のころは韓国で制作されたものを翻訳して日本でも読めるようにしたものがほとんどでしたが、今では中国や日本など他国でもwebtoonが制作され、徐々にシェアを広げています。

横読みマンガはセリフのテキストの方向に読み方も左右されるため、日本のように縦方向右から左にセリフのテキストが入っている場合は右ページから左ページへ、英語など横方向左から右にセリフのテキストが入る場合は左ページから右ページへ読むことになります。
そのため、他言語に翻訳する際、セリフ表記がネックとなります。

昔は日本のマンガの海外版を出すときは、ページ自体を左右反転して左ページから読ませるようにしていました。
今では日本のマンガは海外でも『日本式のマンガの読み方』として、元の絵はそのままに、テキスト方向と読み方向が合わない形で読ませるのが主流です。
そのため、あまりマンガに慣れていない海外の方だと読みづらいということもあるようです。

ですがwebtoonは従来の横読みマンガとは違い、読む方向が縦方向なのでセリフのテキストの方向に左右されないため、世界共通の読み方になります。
そのため、翻訳された場合でもほぼスムーズに読むことが出来ます。ですので、あまりマンガ文化になじみのない人でも、ストレスなく読むことが出来るという利点があります。

また、webtoonは一人で作品を作るのではなく、プロット(シナリオ)・ネーム・作画・着彩など複数の人間が分担して制作する、アニメ制作のような会社主導のスタジオ形式で作られることが多いです。そのため短期間で次々と作品を制作することが可能です。

縦にコマを並べて読ませるマンガはwebtoonが台頭する前から日本でもなかったわけではありませんが、モノクロだったり、フルカラーだったとしても基本的には横読みマンガと同じメインの作者1名(原作と別れているときは2名)が、プロットから着彩まで行っており、スタジオ形式での分業作業で作られているものは多くはなかったようです。(アシスタントが入ることはありますが、それも作者主導の下で作品制作を進めているので、スタジオ形式とは異なります。)

では、スタジオ形式で制作するとはどのような流れなのでしょうか?簡単に作業を割り振ると以下のような形で分担することになります。

①プロット(原作・シナリオ)

作品の企画やお話自体を作り、コマごとのセリフ形式のシナリオを作成します。(シナリオではなく、小説のような文章(プロット)の場合もあります。)




②ネーム

シナリオやプロットを元に、縦読み用にコマを割っていきます。


③キャラクター作画

ネームを元にキャラクターのみを作画していきます。下描きだけでなく、線画まで行います。



④背景・効果作画

キャラの入ったものに、それに合わせてネームの指示通り背景や効果を描き込みます。こちらも線画まで行います。背景は3Dを利用して描く場合も多いです。





⑤着彩

キャラや背景の入った線画に、色を塗っていきます。(人物と背景は着彩する人が別々だったり、背景自体は既に着彩済みのこともあります。)





⑥仕上げ

演出を考えて出来上がった絵にエフェクト(効果)をかけたり、フキダシなどの位置調整や装飾などを行います。

ざっくり分けるとこんな感じです。
制作会社によってはもっと細かく分担されていたり、それぞれを一人ずつが担当するわけでなく、例えば背景などは画風が合えばいいので、一つの作品を複数人で制作することもあります。逆に作業の手が早い方の場合は、作品を掛け持ちして担当することもあります。

基本的には完全分業制で制作されるため、例えば背景や仕上げだけの担当の場合そこまで制作に時間がかからないので、副業として行っている方もおられます。制作会社で設備が用意されていてそこで作業をするところもありますし、完全リモートで自宅などで制作することも多いです。

今はまだ国内の大手出版社でのwebtoon作品数はそこまで多くありませんが、制作に乗り出す会社や新規で立ち上げられた会社もどんどん増えており、その市場はまだまだ発展していくと思われます。

従来の、一人でお話から仕上げまでを行う横読みマンガとは違うwebtoon。
マンガすべてを一人で制作することはできなくても、『キャラクターだけなら』『着彩だけなら』と部分的に得意な作業だけ携わりたい方にとっては、新しい道が開ける可能性があります。

アートスクール大阪のマンガコースでは、webtoonの描き方も学ぶことが出来ます。
あなたもぜひ挑戦して、新しい一歩を踏み出してみませんか?

井原 安子

ihara2014
Profile
同志社大学経済学部卒業
大学在学中に漫画家デビュー。
以降、読み切り・連載作品を発表、コミックス出版を重ねる。
現在はフリーのマンガ家として活動中。
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小さい頃から、マンガを描くのも読むのも大好きで、今は趣味も仕事もマンガという大人になりました(笑) 特に読む方はジャンル問わずです。
好きな気持ちとやる気は、マンガ制作の大きな力になります。初めての方もレベルアップしたい方も、ぜひ一緒に頑張っていきましょう!
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