キングダム展に行ってきました

こんにちは。マンガコースです。
今月のブログは「キングダム展-信‐」に行ってきましたので、そちらの感想を書かせていただこうと思います。

『キングダム』は原作はのみならず、アニメも実写も大ヒットを飛ばしている、古代中国を舞台とした中華統一を目指す、のちに秦の始皇帝となる少年と、彼と共に天下の大将軍を目指す主人公のマンガです。


原作の巻数は2022年時点で60巻を超える、長期連載作品となっています。

「キングダム展」はその原作の大体40巻くらいまでの原画展となっています。
ちょうどアニメもその辺りまでは放映されていますね。
アナログ作画なので見ごたえのある原画をかなりの枚数を見ることが出来るということで、前売り券を買ったときから本当に楽しみでした!


当日はコラボカフェを横に見つつ(一応かわいい担当のキャラもいるはずなのに、雄々しいキャラ達のイメージのメニューが盛りだくさんでした…!男性読者の人気の厚さを感じます(笑))、入場します。
入ってすぐに大阪会場ではカレンダー付の入場券販売だったので、そちらももらいます。
2023年の教室用のカレンダーにぴったりです(笑)


今回の原画展では、大体原作の順番通りに原画を並べているだけでなく合間合間に巨大グラフィックを挟み、両方を一緒に見ていくことで、物語を再読することが出来る構成になっていました。
原作が長いだけに途中の話の流れがちょいちょい抜けていた私には、こうして再構成した展示を見ることで、しっかり物語を思い出すことが出来ました。

平日だったこともあり、そこまで混んではいなかったのでゆっくり鑑賞することが出来たのも良かったです!(とは言え、じっくり見すぎて後ろが詰まってきたのを感じては、列を抜け直して空いてるところから並び直し…は繰り返してしまいましたが(笑))


最初は第一話からの原稿が並ぶのかと思いきや、なんとこの展示会のために描き下ろされたという漫画の原画展示が…!今まで私が見てきた原画展では、会場用に特別に描き下ろしイラストが数点あったり…というのはあったのですが、こんなにがっつり、物語を描いた描き下ろしマンガの展示を見たのは初めてでとても驚きました…!
週刊連載を何年もこなされている先生なので描くスピードは速いのかもですが、それでもすごいです…!これだけでも見に来た甲斐がありました…!



描き下ろし原画の方はさすがの美しさで、キャラはもちろん、背景の自然物や空のトーン削りなど、とてもきれいでした…!そしてすごいなと思ったのが、修正がかなり少ない点です。
週刊連載であれだけ細かく色々描かれているので修正も多いのかな?というイメージがあったのですが…。
これは描きおろし原稿だけでなく、絵より話に重点を置いていたと言われている初期の原画自体にも大きな修正はあまりなかったので、最初から原稿を計算して丁寧に描かれている作家さんなんだなぁと認識を改めました。

描き下ろしマンガ自体は本編の補完のような形で、見に行かれていない方のネタバレになってしまうので内容は語れませんが、話自体もとても良かったです!


物語を再読できる、と先ほど書いたのですが、なぜか1~5巻辺りはかなり端折られてまして、はっと気が付くとすぐに蛇甘平原の戦いへ…!初期の方は展示するほどの見せ場になる大掛かりな戦いが少なかった…ということもないとは思うので、そこはちょっと残念でした。
もしかしたら初期の方は今までにも規模問わず原画展をされたりして展示されることが多くて、あとの初展示原稿のスペースを優先するためだったのかもしれません…。(これは私の勝手な考えですが…。)


蛇甘平原の戦いから以降は、とにかく軍同士の戦いが増えてくるので、描き込み量は半端ないですし、見開き原稿も増えてきます。
描き下ろし分では原稿用紙を数枚横に連ねて、普通の本であれば表現できない大胆な見開き画面で描いているシーンが…!!
軍が出てくるのでもちろん人数もすごいですし、しかも一人一人装備までちゃんと描かれてたので、ものすごく何度も見てしまいました…。デジタルであればコピペで何人も増やせますが、アナログで、しかもコピーで人数増しをしているわけでもないので、本当に見ごたえがあります…!



そしてこの辺りから装甲戦車隊や騎馬隊なんかも出てくるので、とにかく描き込みが半端じゃないです…!
車輪は細かいところまで描かれてますし、馬だけでも大変なのに装備もあったりして…。大人数の戦いになることもあって、しかもちゃんとどの部隊がどうなっているかを絵で見せる必要があるせいか、とにかく陣形がわかるように、飛んでいる矢の方向も一本一本きちんと計算して描かれ、かつ広い場所での遠近の人物の描き方の使い分けとか、もうほんとにこれが週刊連載だったのが信じられないくらいすごかったです…!アシスタントさんたちの技量、ものすごい…!
そしてそれらがかっこよく見える配置になるよう工夫された構図が本当にしびれます…!!

もちろん人物のアップの時の圧は、印刷されたりしたものを遥かにしのぐもので、線一本一本の力に圧倒されます…!これは生原稿を見た人にしかわからないと思うので、これから開催される地域で見られる方には、ぜひ足を運んで、実際にご自身の目で見てほしいです…!


さらに原画展示というだけでなく、音でも漫画の力を増幅する工夫がされていました。それぞれの戦いのシーンで聞けたであろう銅鑼や剣がぶつかり合う音が、原画に合わせて要所要所でBGM的に流されていて、臨場感がマシマシでした!本当に今の展示会はそういう工夫もしてくださっているので、目以外でも楽しめてとても良いです!



そうして原画を見つつ歩いていると、とても大きな水墨画が…!てっきり小さく描いたものをめちゃくちゃ大きく引き伸ばしたんだと思ってたのですが、そもそもが大きく描かれた水墨画だとわかり、ものすごく驚きました…!

高さ的には3mくらいあったと思うのですが…。
キャラの存在感が絵の大きさでも具現化され、『本当に大きき過ぎてわからない…』に私もなってしまいました(笑)


このあたりまででもかなりたくさん原画が見れて大満足だったのですが、巻数的にはまだ半分もいっておらず、展示はまだまだ続きます…!この後もとにかくキャラのいい意味での圧と描写の細かさ、構図の演出のカッコよさにしびれながら、もう途中からは普通に物語を追体験してる気分で、世界に没頭しながら進んでいきました。それくらい展示の仕方が良かったです!


そうして今回の展示のラスト辺りのお話は物語の中でもとても大事な場面だったので、巨大グラフィックを挟みつつもほぼほぼ原画でしっかり物語を読み直すことが出来ました。区切り的にはとてもいいところだったので、すべての展示を見終えた後の充実感は半端なかったです…!


…と思っていたのですが、最後にはなんと、全キャラ顔付一覧表が…!
キングダムは登場人物が多すぎて、時々「誰だったっけ、これ…」とかなってしまう私にとって、これはめちゃくちゃありがたい…!ということで、写真OKエリアだったこともあり、全て収めてきました!…とはいえ何枚もにわけないと撮り切れないほどのキャラ数だったので、それだけを描き分けておられるということに改めて敬服してしまいます…!


最後は物販がある会場に移動して、その販売前にも少し展示があり、描き下ろしや原先生のサイン色紙などもありました!最後まで色々見せてもらえて、本当に充実の展覧会でした!そして展示会から出てきた時、ものすごく時間が経っていてそれにも驚きでした。何時間見ていたのか…(笑)

もしこれから行かれる予定のある方は、ぜひ足を運んでほしい展示会です!とても繊細に、丁寧に描かれた原稿から湧き出る圧と熱さを、ぜひとも感じていただきたいです♪


井原 安子

ihara2014
Profile
同志社大学経済学部卒業
大学在学中に漫画家デビュー。
以降、読み切り・連載作品を発表、コミックス出版を重ねる。
現在はフリーのマンガ家として活動中。
Message
小さい頃から、マンガを描くのも読むのも大好きで、今は趣味も仕事もマンガという大人になりました(笑) 特に読む方はジャンル問わずです。
好きな気持ちとやる気は、マンガ制作の大きな力になります。初めての方もレベルアップしたい方も、ぜひ一緒に頑張っていきましょう!
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