STUDENT INTERVIEW

美術科 藤本久美子さん インタビュー!

美術科に在籍し、中嶋先生のもとで絵画を学ばれている 藤本久美子さん。
このたび、銀座かわうそ画廊が主催する「かわうそ新人賞」に佳作として入選されました!
そんな藤本さんの、公募展への挑戦、そして制作へのポリシーについて、詳しくうかがっていきます。

「かわうそ新人賞」について

――今回、公募展に挑戦しようと思われた理由をお聞かせください。

facebookで以前から素敵な作品!と思いフォローしていた宮崎優先生という日本画家さんがいらっしゃるのですが、その方が初個展をされた画廊さんが今回のかわうそ画廊さんでした。
一目、宮崎先生の実物の作品を観たくて、その後昨年夏にかわうそ画廊さんが出展されていた、神戸のアートマルシェへも観に行きました。
このコンテストを開催することも、宮崎先生のタイムラインで知りました。
まさか展示させて頂けることになるとは思いもしていませんでしたが、憧れの画廊さんや先生方、また自分の進みたい未来と、ご縁が繋がることを夢見て応募致しました。

――憧れの作家さんを追いかけていった結果、一歩踏み出せたのですね。
入賞された感想は?入賞の前後で、なにか心境に変化などありましたか?

まず入賞以前に、一次選考を通り展示させて頂ける、ということが何より嬉しく、ご連絡を頂いた時は本当に!驚きました。
入賞は更に思いもよらない展開でしたし、入賞を意識して制作したわけではありませんでしたが、評価頂けたということが素直に有り難く、とても嬉しく思っています。
心境としては、今まで以上に、制作に注ぐエネルギーのウェイトを多く取れる環境にして行こうと改めて感じています。

――今回受賞された『 清水に流るる 』にまつわるエピソードがあれば、教えてください。

「オフィーリア」の作品がとても好きなので、恐れ多くも、少しそのイメージから制作した写真作品を元に描いていきました。
彼岸花の描写がとても難しく、下絵段階のスケッチだけでかなり時間を使いました。
中嶋先生はとても繊細さを大切にされる先生ですので、「焦らずゆっくり描いたらいい」と本当に繰り返し彼岸花の描写にアドバイスを下さいました。
何しろ初めてだっただけに、描写の動き的に硬い面や未熟な点だらけなのですが、全体的に透明感のある仕上がりに出来た点はとても気に入っています。
私としては、様々なことを経て、自分の表現や制作活動をリスタートさせた象徴のような、とても思い入れのある作品です。
私の手を離れてお嫁入りして行きましたが、知らない場所で私自身が出会う事のない人へも、エネルギーを広げ続けて行ってくれるといいなと願っています。

――女性が水に横たわり、その周りに花が散りばめられる…というのはオフィーリアを意識されてのことだったのですね。彼岸花があざやかに・そしてとても繊細に描かれており、力が入っているのがわかります。

アートスクール大阪について

――アートスクールを知ったきっかけ、入学しようと思った理由を聞かせてください。

インターネットの検索で見つけました。幾つか日本画教室の体験も行きましたが、アートスクールはまずフレックス制という所が私にとってはとても魅力でした。仕事との兼ね合いもあり、何曜日何時、ときっかりに決まっているとなかなか合わせるのが難しい状況でした。
その点アートスクールは本当に理想的なシステムでした。
受講費も良心的に感じましたし、スクールでありながら、アットホームな雰囲気も魅力的に感じました。

――実際に通ってみての感想は?

多様な先生方のご指導を多方面から受けられる環境、また無料セミナーの充実度は驚きで、基本の受講費のみでこんなにも多種多様なアートに触れられるお教室は無いと思いました。
いわゆるカルチャースクールとも全く違いますし、自由にしたい事を表現出来る環境が整った、素敵なスクールだと感じています。

――ありがとうございます。

制作の様子について

――普段、どのように絵を描かれていますか?

私は元々写真で作品作りをしていましたので、まず表現したいイメージがあり、そのイメージを写真で制作する、そこから絵に起こす、のパターンになる場合と、
イメージからそのまま絵に起こす、その段階で部分的に写真で確認をする、と言うパターンとがあります。
写真であれ、絵であれ、私自身のエネルギーが、世界に循環し広がっていくことを大切にしたいなと思っています。

――普段写真を撮られているとのことですが、写真という完全にものを捉えられる表現と、絵画という心象・抽象も含められる表現方法。
このふたつの違いや、その違いによる戸惑い・おもしろさ・発見などありましたら、教えてください。

写真という媒体を用いても、個人的には場面を創って撮影する、という方法ですので、絵画と写真と言う方法の違いによる、自分の中での違和感としては現在のところはそれ程ありません。
写真の状況を作り込む段階と、撮影時のフィーリング、瞬間に心情を投影していると言う感じです。
また、写真をラボでプリントして頂く段階で、カラーバランスにより、イメージが変わるため、それを自分のイメージに近づけてもらいますが、この辺りは、絵画も同じかと思います。
今回のもののエピソードで言うと、写真の作品も最初から彼岸花のイメージだったのですが、「川に浮かんでもらう」には、9月の彼岸花のシーズンでは水温的に残念ながら難しいため、、8月に手に入る赤い花を用いて8月に撮影しました。
イメージに近づけようとしても、現実が追いつかず難しいことや、技術が追いつかず難しいこともありますが、よく考えると、その点は絵画も同じかもしれませんね。
イメージをどう形にして表現し伝えるか、よりスムーズに、より魂のあるものとして産み出せるように、 そこを追い求めるのは、どのジャンルでも同じなのだなと感じました。

さいごに

――今後の目標と活動を、お聞かせください。

このような結果を頂けたのも、中嶋先生のご指導のおかげと、心から感謝しています。
これからも、人の心に響く作品を生み出せるように、ご縁を大切に頑張っていきたいです。
元々写真の作品を制作していた流れがあり、夏に個展をする予定で動いていましたので、今後は日本画作品とも組み合わせたりなど、枠に囚われない世界観で表現をしていきたいと思っています。ありがとうございました。

本当に丁寧にお答えくださり、ありがとうございました!
これからのご活躍を応援しております。