STUDENT INTERVIEW

【絵本と表現コース】あやかわちいこ さん インタビュー

2017年6月より在籍し、コロナで通学が途絶えた時もありましたが、
5年が過ぎ、初めてつくったオリジナル絵本「すえっこのふゆちゃん」が
「第23回ピンポイント絵本コンペ」最優秀賞を受賞されました「あやかわちいこ」さんに、
受賞と受賞展参加の感想、制作の秘密についてうかがいました。

最優秀賞を受賞して

――――初めてのオリジナル絵本での「最優秀賞」受賞おめでとうございます!
受賞の連絡が来た時は、どう感じ、受賞展も終えた今はどう思っていますか?

あやかわさん:ありがとうございます。
受賞のお電話をいただいた時は、すごくびっくりしました。驚きすぎて夢だったんじゃないかと、、、
電話の着信履歴を確認してホッとしてました。
フライヤーやHPで作品を紹介していただいた時もすごく嬉しくて、でもまだ夢の中にいるような不思議な感覚でした。受賞展の準備をしながら少しづつ実感がわいていきました。

――――そうですね、自分の作品がいろんなところで複製されるのは、慣れないと不思議な感じですが認められることは幾つになっても嬉しいことですね。
そんな受賞作品の制作のエピソードはありますか、またどんな想いで制作されましたか?

あやかわさん:私も「ふゆちゃん」と同じすえっこで、お下がりじゃなくピカピカの服に憧れていました。
その頃の思い出をお茶目に描きたいなあと思いました。
最後の1ページが考えても考えてもしっくりこなくて、多分私自身もおさがりの答えをしらないのかなあと気づき、きっと、ふゆちゃんも「おさがりばっかりいやだー」と大泣きして、泣きやんだらご飯を食べて遊んでまた何かのきっかけで泣いて、、、そうやって子供ってすくすく大きくなっていくんだろうなという想いで描きました。

受賞作品展について

――――やはり経験から繋がる世界はリアリティが生まれ強いですね。その主人公が受賞によって連れて行ってくれた「絵本コンペ受賞展」に参加されましたが、初めての展示会はいかがでしたか?また原画だけではなく、アイデアたっぷりの作品も展示されましたが、面白い出会い等はありましたか?

あやかわさん:初めての受賞展はとても緊張しました。展示されている自分の作品を見て嬉しかったです。
そしてもっと絵が上手になりたい、ここをもう少しこうすればよかったかななど色々反省点や目標も見つかりました。
受賞展では審査員の方々に沢山アドバイスをいただき、展示されているみなさんの作品を見たり、お話しをしたりすごく貴重な時間でした。またいつかピンポイントギャラリーさんに展示していただける様な作品を作りたいです。
「すえっこのふゆちゃん」にでてくるドールハウスを作ったのですが時間の都合で扉が開かなかったので
いつかドールハウスの中も作りたいです。

――――いいですね、展示された自分の作品を見ることは、客観視ができアイデアにも繋がりますね。
またコロナで来校されていない時も、教室での受講時間だけでなくご家庭でも制作され、時間や場所の確保が大変だったと思いますが、何か工夫されている制作方法はありますか?

あやかわさん:時間の使い方が器用じゃないので、家での制作はなかなか進まなくて、気持ちだけが焦ったり制作を一時お休みした時もありました。制作を再開した時に途中まで描いていた「すえっこのふゆちゃん」を見返してみたら、自分自身がワクワクしなくてもう一度ストーリーからゆっくりじっくりマイペースで進めていくと、だんだん制作のリズムもできて、描いている時間がすごく楽しかったです。
ストーリーは机に向かっているより、ご飯を作っている時などに思いついたりします。

アートスクールについて

――――ワクワクすることが動力となってマイペースで進める、それがベストですね。また、一時お休みした事も良かったと思います。一度離れることで制作中に迷子にならずにすみ、楽しく描き続ける方法ですね、楽しく描いた絵は楽しさがちゃんと伝わります。
では、アートスクール入校のきっかけや選択の理由はありましたか?

あやかわさん:絵を描くことが好きだったので、いつか基礎から学んでみたいと思っていました。
子供が小学生の時に学校からもらってきた「図書室のボランティア募集」のお手紙をきっかけに、小学校の図書室に時々お手伝いに行くことになりました。
児童書や絵本に囲まれた図書室にすごくワクワクして、どんどん絵本を作ってみたいと思うようになり、アートスクールで絵本の作り方を学べることを知りました。何度もHPを見たりして、思いきって体験を申し込み、入校することになりました。

これからについて

――――面白いですね、繋がることで動けば次の課題やアイデアが出てきますから、今もインスタにもアイデアのあるイラストをアップしたり、また次作のラフも進行中ですが実際の絵本コースの受講を通じての感想や目標はありますか?

あやかわさん:絵を描くことと工作も好きなので、絵と工作を合わせた作品を作ったら面白いかな?どうかな?と試行錯誤しながら考えている時間が楽しいです。その結果をインスタにアップしています。

絵本のストーリーを考えて、コマ割りして、、、頭にあるものを作品にするのはすごく難しくて立ち止まったりするのですが、
先生に相談すると難しい算数の問題が解けたみたいに解決したり、作品に率直な感想をいただけるので、だめな時はへこみますが(笑)そのぶん面白いといっていただけた時はすごく嬉しいし、制作の励みになります。今描いている作品作りも楽しんで進めたいです。

◆はい、頭にあること、イメージが浮かぶことが素晴らしいので、後は慣れや量を経験すること、たくさん描くことで制作はスムーズに進みます。そして、あやかわさんの描かれて作品にも、工作や算数のイメージがあるので、それが作家さんの特徴としてうまく表現できると楽しいですね。

今回はお忙しいところ、いろいろとお答えいただき、ありがとうございました。 では、今後の作品も楽しみにしています。
インタビュアー : 絵本と表現コース講師/中田弘司

あやかわちいこさんインスタグラム:ayakawachiiko

 

中田 弘司

中田 弘司
Profile
制作事務所勤務デザイナーを経て、1989年よりフリーランス。
今までに幼児向け雑誌絵本等にて100話以上のお話の挿絵制作。
絵本をはじめ、「ビッグコミックオリジナル・増刊号」(小学館)表紙イラストや、
月刊誌「大阪人」にて歳時記や町歩きの画文の連載等、
壁画からキャラクターまで多様な作品を制作。
東京・大阪・神戸にて個展多数。主な絵本に「ぷぅ」( 作:舟崎克彦/ポプラ社 )がある。
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目には快感、心が楽しみ、気持ちを遠くに運ぶ
絵本やイラストを目指しています。
仕事での経験を生かし、一緒に考えながら、アドバイスをします。
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