プロの作品を見てステップアップ!無料メイキング! ゲスト:敷城こなつ先生

イラストはじめてみたけど、まずどういう行程を踏めばいいかわからない!

乙女ゲーのような塗り方をしたいけど、うまくいかない! そんな方のために、敷城こなつ先生をお呼びして、ラフから完成までのメイキングを行ってもらいました!

 

■目次
・ツール&ブラシ紹介
・ラフ~構図決め
・02清書~着彩
・あとがき
・無料体験へのご案内

 

■プロフィール


敷城こなつ(しきじょうこなつ)
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。
アニメ制作会社studio4℃にてCGI監督・色彩設計・演出を経て、現在はフリーのイラストレーターとして活動中。
女性向けアプリゲームキャラクターデザイン、TLライトノベルの挿絵等多数。
嵯峨美術大学キャラクターデザイン領域特任講師。株式会社one’s glory代表。
京都の道をキャラクター化したコンテンツ「~はんなり京都~お通り男史」の原作ディレクション、自身もキャラクターデザイナーとして参加。
「第1回京都アニものづくりAWARD」にてお通り男史は「地方創生特別賞」を受賞。

 

■無料体験
アートスクール オンライン講座では、無料体験を随時行っています。
ご興味のある方がいらっしゃいましたら、イラストメイキングの記事の最後にご紹介させて頂きますので、是非最後まで読んで下さると嬉しいです。

 

■作品の紹介
こちら完成作品です。
今回は自身も作品ディレクションで関わっている京都の道をキャラクター化したコンテンツ「~はんなり京都~お通り男史」で描かせて頂いたイラストになります。


 

■普段使用しているツール紹介
使用PC:Mouse DAIV Windows10 メモリ32GB
使用モニター: EIZO ColorEdge 27型4K
周辺機器:Wacom Intuos Pro Medium
使用ソフト:Clip Studio Paint/Abode Photoshop

■ブラシの紹介
線画用にはカスタムペンとGペン改の2種、着彩用にはこれだけで塗る筆とコンセプト1の2種を主に使用しています。
Gペン改以外はClip Studio Paintのダウンロード素材ブラシなので入手できます。



■01ラフ~構図決め
今回は「~はんなり京都~お通り男史」で描かせて頂いたイラストで、季節をテーマにした通神たちの日常を描いたショートストーリー「通(とおり)神(がみ)日和(びより)」の挿絵制作のメイキングになります。
「~はんなり京都~お通り男史」作品サイト
https://otori-danshi.com/

通神日和「秀吉会の花見酒」
https://otori-danshi.com/special/season_ss.html

豊臣秀吉に縁のある寺町(てらまち)、油小路(あぶらのこうじ)、仏光寺(ぶっこうじ)と相棒の子ザルの秀坊(ひでぼう)というキャラクター達が醍醐寺(だいごじ)で花見をする様子を挿絵で描く事になりました。
ショートストーリーのイメージに合うような1枚絵なのでキャラクター達の立ち位置や表情が伝わるようなキャラクターの構図を考えます。
大ラフでは赤い床几台(しょうぎだい)の上に場所取りをしている仏光寺と油小路に右手から寺町が入ってくるようなイメージで描きました。


次に左右鏡面反転した構図に変更しました。
場所取りをしている油小路と仏光寺に寺町が合流するという流れなので、舞台の上手側(右側)にお話が先行している二人がいる方が見栄えがするのと、下手側(左側)の少し手前に寺町を入れた方が良いと判断しました。
キャラクターの髪型と顔は清書時の印象が変わらないようにラフ線ではなく、本番線画で描いています。


次に床几台から赤い敷物の上にキャラクター達が座っている構図へ修正しました。
寺町のたすき掛けをなくして羽織に変更しています。
床几台の上に仏光寺が胡坐を組んで座るのに違和感があったのと、寺町の身長は185cmで座っている二人と目線が合わない(絵的には身長が低く見える)ため変更しました。
背景はイメージを掴むために先に軽く着彩しています。



次に3人の身長差を調整してキャラクターのサイズ感は同じくらいに変更しました。
油小路の手に持っている酒が秀吉が愛好していたひょうたん酒の設定で、腰にも複数ぶら下げているので加筆しました。
寺町と油小路の表情をもう少し立ち絵の印象にキャラ寄せ修正しています。


次に油小路の表情をニコ目の笑顔に変更して、陽気なキャラクター像に修正しました。
ひょうたん酒の1つを封を開けて床に置きました。
背景の空いている箇所を埋めて、奥行にしだれ桜を追加しました。


■02清書~着彩
ラフの微調整が完了した後に線画に入ります。
お通り男史のキャラクターデザインは和装で組紐や装飾が細かいのが特徴なので、線抜けがないように確認しながら進めて行きます。


線画完成後に色ベタで塗っていきます。
テクスチャー素材のある箇所はメッシュ変形を使用して形に添わせて変形します。
仏光寺に着物の裾部分の線抜けがあったので加筆して、靴を脱がしました。


影とハイライト等を塗り込んでいきます。
ガザガザした質感や艶のある質感などの違いを足していきます。
特に食べ物は美味しそうに見えるように描き込みます。
背景のしだれ桜の幹や奥側の花びらも加筆していきます。


仕上げに効果を足していきます。
昼下がり夕方前あたりの時間帯にオレンジ系のフィルターをオーバーレイで足していきます。
キャラクターが背景に馴染み過ぎないように縁どりフレア効果も加算で足します。
背景はしだれ桜のピンクを強めるようにエアブラシ等で空気感を出しました。
以上で完成になります。


■あとがき
イラストメイキングはいかかでしたでしょうか?皆さんの役に少しでもお役立ちできたら幸いです。
私の場合はラフの段階で構図に違和感がないように時間をかけて決めていきます。
お通り男史は複数名のイラストレーターさんにデザインして頂いているキャラクターなので、それぞれの特徴を分析して描いています。
普段は小説挿絵など文章に合わせたイラストを描く仕事が多いので、文章から想像できる情景を大事にしています。
最後までご覧下さりありがとうございました。

 

■無料体験のご案内
アートスクール オンライン講座では、無料体験を随時行っています。
あなたのこんな絵が描きたいという目標や、こういう所が上手く描けないなど悩みをお聞きして、あなただけのカリキュラムプランをご提案させて頂きます。
ご興味のある方がいらっしゃいましたら以下よりお気軽にお問い合わせください。
ご予約状況により当日の体験も可能です。