デッサン力が必要な仕事 ~ レースデザイン編

はじめまして。アートスクールオンライン講座デッサンコースで講師をしています木下と申します。

初めてのブログでして、何を書こうかなと迷ったのですが、今回は私がこれまで一番長く携わってきたレースデザイン(柄)制作の仕事と、デザインの仕事を進めていく上で重要だと感じたデッサンの大切さについてお話しさせていただきたいと思います。

 

1.レースデザインというお仕事

私は以前レース製造会社のデザイン部に勤務していました。

レースデザインってどんな仕事だろう?

まずそう思った方いらっしゃるかと思います。珍しいお仕事ですよね。

主に担当していた業務は「レースデザイン」という、レースの柄(図案)を描くこと。

私が所属していた部署では主に女性用インナーに使用されるレースのデザイン制作を請け負っていました。

花柄、植物柄、幾何柄、爬虫類、和柄などなど、本当に沢山の柄があります。

その業界に入社するまでインナーの柄をマジマジと見ることがなかったので、こんなに柄の種類ってあるの?と衝撃でした。
その図案(柄)をPCソフトを使い、フリーハンドで描いていきます。
柄を描くデザイナーは多くいらっしゃいましたが、同じテーマで描いてもデザイナーによって描く絵のタッチが異なります。
面白いですよね。





 

2.図案~商品化まで

レースデザインの図案を描く作業には何か決まり事はあるの?と思われる方もいらっしゃると思います。はい、もちろんあります!
描いた図案が完成品ではなく、最終的に糸で表現され、縫製され、商品として形になるので、そのことを想定して柄を描かなくてなりません。
例えば、糸の本数、糸の太さ、何㎜以内、糸の量=価格、商品になったときの柄の見え方などなど、沢山の決まり事やポイントがあります。

出来上がった図案は、糸の流れ(歩き)になるようにデータ化され、工場で生地に刺繍(または織り)されます。
その仕上がりを確認して、場合によっては修正を繰り返し、完成になります!
仕上がったレースはお客様(依頼主)へ納品し、縫製され、商品化されます。

自身がデザインしたものが商品として店頭に並び、お客様が手に取ってくださったときはやはりすごく嬉しいです。
自分がデザインに関わった作品は観賞用に購入して保管したりしています

 

3.企業に勤務する、デザイナーという職業

デザイナーは表現力や感性が必要な職業ですが、企業に就職して職業としてデザイン制作をする場合、必要とされることは作画の技術や画力・デザイン力だけではありません。企業より求められる条件を満たしたデザインを具体的に表現したうえで、形にしていくことが必須です。
フリーランスのデザイナーとして活動する場合は、企業に勤務している場合よりも、さらにプロフェッショナルな結果を企業(依頼主)より求められます。

「デザイナー」というと人気のある職業で、華やかで美術的(アーティスティック)なイメージが強いかもしれませんが、仕事としてデザイン制作をする場合はデザイン技術や知識以外にも多くの要素が求められます。自身の趣向だけではなく、定められた条件でデザインするという経験は達成感と同じくらい大変だと感じることも多々ありました。

それでもやはり自身の感性を活かせますので、デザインを描くことはとても楽しいです。

 

4.デザインスキルが必要な仕事と「デッサン」の大切さ

デザインが必要なお仕事はwebデザイン、イラストレーター、キャラクターデザイン、建築デザイン、工業デザイン、服飾デザイン、アニメーター、ゲーム制作関連会社、CGデザイナーなど多岐に渡ります。データで作成する場合でも、形ある作品・製品を作成する場合でも、デザインに関係する職業に共通して必要なものは基礎である「デッサン力」です。
それは図案を描くお仕事をしている中でも強く感じていました。

IllustratorやPhotoshopなどのデザインソフトのスキルももちろん必要ですが、デザイナーという職種を仕事にできた要因も、大学卒業まで時間をかけ積み上げてきたデッサンの基礎があったからだと思っています。

デッサンを描く上で重要なことは観察力です。
デッサンの対象物をよく観察し、対象物全体の構造把握・各方向からの見え方などを正確に捉えることが重要です。
観察力より得た情報をデータ化し正確に描くことができるようになるとデッサン力は飛躍的に向上します。

全ての仕事に共通することですが、基礎を習得することはとても大切です。
基礎がなければ、その上に技術を積み重ねることはできません。基礎のない状態で応用技術を積み重ねたとしても不安定になり、正しく習得することは難しいでしょう。
基礎がしっかりとしていれば学習し、スキルを積み重ね、自信を持つことができるのです。

デザイン関係のお仕事を目指すのであれば、デッサンは重要な技術であり基本です。
デッサンが得意でない場合でも、個人差はありますが、描き続けることで正確に観察する能力を養うことができ、デッサン力は向上します。



 

5.デッサンを活用する仕事・デザイン関連のお仕事を目指すために

以上、簡単にレースデザインという職業と、デザインの仕事に必要なデッサンについてお話しさせていただきました。
デザインに興味を持っていただきデッサンを学んでみたいと思ってくださった方、是非アートスクールオンライン講座・デッサンコースで学んでみませんか。
レースデザインに限らず、テキスタイル(例えば、ハンカチ・傘・カーテンなど)や、カードの装飾・植物デッサンも対応可能。
デジタル・アナログどちらにも対応可能です。
レースデザインに興味があり、もっと詳しく話を聞いてみたいという方も大歓迎です。

また、現在デッサンを学んでおり、将来の就職や転職・コンペ応募のために必要なスキル向上を図りたい方に向け、個別カリキュラムを組みサポートさせていただくことも可能です。
美術学校や専門学校出身の方ではなくても、イラストや絵を描くことが好きという方であれば、デザインに関連するお仕事に就くことは可能です。

そのためには、デザイン関連の資格を取得し知識を習得することも大切ですが、やはりデザインの基礎である「デッサン」を学ぶことをお勧めいたします。まずはお気軽になんでもご相談くださいね。お待ちしております。

 

【このような方にオススメ】

●基本的な、お花など植物のデッサンをしたい方
●装飾を描いてみたい方
●デフォルメの方法を勉強したい方
●パターン(柄)の描き方や考え方を勉強したい方(花柄、幾何柄、植物柄、爬虫類柄など幅広く対応いたします)
●レースデザインやテキスタイルデザインにご興味のある方
●柄のアイデア出しを勉強したい方
●添削希望の方
●デザイナー志望の方
●レースデザインの話を聞きたい方
●レースがお好きな方

 

木下 裕有子

木下 裕有子
Profile

京都市立銅駝美術工芸高等学校洋画専攻卒業
‘07 油画 京都市長賞受賞
京都市立芸術大学版画専攻卒業

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似顔絵のお仕事とレースデザイン企画のお仕事をしていました。 担当講座では「人物デッサン」「動物デッサン」「パターンの描き方」「押し花アート」の授業を開講しています。 詳しくは下記の『担当講座』をご覧ください。 デッサンを学びたい方、テキスタイルデザインを学びたい方など、趣味~ビジネススキル習得まで生徒様に合わせたオリジナルカリキュラム授業をいたします。