空想の旅 Vol.02 「嘘と本当」

クリイエ絵本担当の松野和貴です。

お届けするブログは「嘘と本当」
今回も空想の楽しさを少しでもお伝え出来ればと思います。

空想というと作者の頭の中で考えられている架空の世界。
というイメージをお持ちではありませんか?
全くその通りで、確かに作者の考え出した架空のモノゴトです。
しかし作者もまた皆さんと同じで現実の世界で生活をしています。
私が覚えている限り、空想の世界の住人である人には、
今のところお会いしたことがありません。
つまり空想は現実の世界から生み出されたもの、というわけです。

今回のテーマは「嘘と本当」
あるいは現実と非現実というほうがわかりやすいかもしれません。
空想の絵や物語は、やはり作品なので
受け手がいてこそ、意味を成すものだと思います。
ここで言いたいことは空想を楽しむエッセンスとして、
作り手と受け手の間に生まれる「共感」
これが空想の旅には必要だと言うことです。

スープはいかが?
「スープはいかが?」アクリル 2019

ではその共感はどのように生まれるのでしょうか。
ということですが、私はこう考えています。
共通の体験、境遇、思い、そんなものに自分を重ね合わせられた時、
少し空想の世界に現実味を帯びる感じがしませんか?
もしくは物語に出てくる場所、もの、登場人物のモデルがあった時。
それは実際に見たこと、行ったことで作品をさらに楽しむことができると思いませんか?

そんな現実にあること、つまり「本当」を感じることができた時、
空想の旅への入り口はとても簡単に開く。ということなのです。

例えば有名なアーサー王物語。
誰も抜くことができない岩に刺さった剣を少年が引き抜く奇跡を起こし、
王様となっていく物語です。
物語に登場する「エクスカリバー」と呼ばれる剣、
なんとモデルになった剣がイタリアの教会にあるらしいのです。
それもちゃんと岩に刺さっていて、どうやって剣を刺したのかわからないそうです。

その剣を実際に見てからこの物語を読めば、
ただのファンタジーという感覚ではなく、あの教会で見た剣がこれか!
という具合に不思議な感覚になるでしょう。
モデルになった剣を見たことで、
空想の世界へ思いを馳せるきっかけができたのです。
これこそ空想の醍醐味だと思っているわけです。

「嘘と本当」

それは
「嘘の中に本当を見つけた時、空想の旅は一段と楽しくなる。」
ということなのです。

余談ですが私の好きな本に
ミヒャエル・エンデ作の「はてしない物語」という物語があります。
内容はあまりお話しいたしませんが、少しでもこのブログの内容が
気になっていただけましたら是非手にとって見てください。
見事に「嘘と本当」を形にしたとても素敵な本です。
(必ずハードカバー版で読まれることをお勧めします。)

憂鬱の種
「憂鬱の種」ペン・透明水彩 2019

今回の空想の旅「嘘と本当」
嘘と本当の絶妙なバランスが
空想の世界をより深いものにし、
受け手に共感を与えるきっかけとなる。

ということでした。

 

松野 和貴 【イラスト/絵本】

松野 和貴
Profile
宝塚造形芸術大学 大学院(現・宝塚大学)造形研究科 修士課程 修了
フラコラ コラボレーションパッケージデザイン
上和電機 30周年記念絵本
YOLO HOTEL MUSIAM 壁画制作
その他、メニューや書籍、キャラクターデザインなどを提供
個展「内緒の部屋」 @日本橋
九×9 @天王寺
designhiro[Bar]と不思議な作品 @難波
イキモン展 @銀座
雑な家 vol.5 @中崎町
個展「ノアの不思議な動物図鑑」 @阿佐ヶ谷
アートストリーム2019 @心斎橋
Creators shoucase vol.3 @梅田
ODPドロフェス @南港
展覧会「平凡で風変わりなお茶会」 @天満橋
雑な家 vol.6 @中崎町
展覧会「平凡で風変わりな印刷所」 @京橋
Message
出来事や考え方、描きたいもの。
よく見る渡すと身の回りにはそういったモノやコトが
たくさん溢れています。
描く人はそれらをいろんな解釈で作品を作ります。
だから個性があって、魅力が詰まっているのだと思っています。
受講生の皆さまにも、想像する楽しさ、
それを表現する楽しさを少しでもお伝えできればと思います。