プロットについて その②+マンガコース特大号Vol.5発行のお知らせ

 こんにちは。マンガコースです。今回も前回に引き続き、プロットについて書かせていただきたいと思います。今回はプロットの形式についてです。
プロット自体には決まった書き方はなく、文字で(時にはちょっとしたカットも入れて)話の大まかなあらすじを相手に伝えられればOKです。具体的にどんな書き方があるか、さっそく見ていきましょう。

①あらすじ形式

これは文字通りですね。小説や漫画などの内容紹介で書かれているような粗い筋を、話の最後まで書ききります。キャラ同士の会話などの細かいセリフは省き、全体の流れを短い文章でまとめます。ただし、ストーリー上大切と思われるセリフなどはきちんと書いておきましょう。

②箇条書き形式

 出来事(エピソード)のみを書き出して、物語の流れに沿って並べたものです。

③小説形式

これも文字通りですね。①のあらすじ形式よりも、より具体的にシーンを描けるのでイメージが固めやすく、ネームがかなり楽になります。ただし場面を文章で説明しやすくなるため、マンガ(絵)で描く時にどう表現するかを考えながら書かないと、あとで困る時があります。たとえば、『むせ返るような熱気をはらんだ会場』とか、『彼女が歩くたび、周りは花が咲いたかのような輝きと香りに満ちた』などの簡単な絵では表しづらい比喩表現や、『彼の撮った写真は見る者に畏怖と同時に安堵を与える』とか『この世のものとは思えないほど美しい風景だった』など、純粋にかなりの画力を必要とされるものなどです。マンガはあくまで絵で表現したいので、文章で表現したこれらをマンガの中でどう表現(演出)するかも、プロットの時点でイメージしておいた方が良いと思います。また、小説形式はどうしても文章量が多くなってしまうので、担当さんによっては、もっと短くまとめる(あらすじ形式にする)よう言われることもあります。

④脚本形式

こちらも③の小説形式と近いのですが、主に場面の説明とセリフで構成されているため、より、マンガにしたときのイメージがつきやすいです。ただしセリフ重視になる分、長ゼリフになりがちです。マンガのセリフは上手なセリフ回しでない限り文字ばかりだと読む気が失せてしまい、読み飛ばされる可能性が高いです。短い言葉で、あくまで絵で表現するのだということを忘れないように気をつけましょう。

一般的なものではこんな感じでしょうか。大切なことは、誰かに見せる前提+前回述べた『プロットの意義』を活かせることなので、上記の書き方以外でもご自身にあった方法があればそれで大丈夫です。
 今回はここまでです。次回はもう少し具体的に、プロットの立て方について書いていきたいと思います。またよかったらご覧くださいね。

 あと、最後になりましたが、ちょっとお知らせです。
 マンガコースでは不定期に受講生の作品をまとめた本を作っているのですが、11月に5冊目を発行することとなりました!表紙と裏表紙はこんな感じです。

この本は、アートスクールの各休憩室や、2017年11月20日~11月25日に開催される
ART GRANDPRIX 16の会場でご覧いただくことが出来ます。
受講生の力作ぞろいなので、ぜひぜひ、ご覧くださいね! それではまた次回、お会いしましょう。

 

 

井原 安子

ihara2014
Profile
同志社 大学経済学部卒業
大学在学中 マンガ家デビュー
現在はフリーのマンガ家として雑誌掲載
コミックス発行などで活躍中
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マンガを描く上で、「やる気」はとても大切な要素です。
一人では持続させるのが難しくても、描く意欲を持った仲間と一緒なら、きっと頑張れるはず!
描く本人自身 も楽しみながら、一緒に学んでいきましょう!
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