空想の旅 Vol.03(最終回) 「直感」


クリイエ絵本担当の松野和貴です。

空想の旅 Vol.03、お届けするブログは「直感」
今回も空想の楽しさを少しでもお伝え出来ればと思います。

「直感」というと少し難しい言葉に聞こえるかもしれません。
言い換えればインスピレーションということになります。
この言葉は「閃き」「霊感」「思いつき」などの意味があります。
つまりこの「直感」というものはいつどこで起きてもおかしくないということなのです。
こういうと何か怪しい話のように聞こえてくるかもしれませんが、
実際絵を描くために机に向かっている時より、
シャワーを浴びた瞬間や、帰り道歩きながら、あるいは
別の事務的な仕事をしている時などに「ふっ」と湧いてくることが
多い気もしますし、何よりその時に思いついたものの方が
アイディアの質が良い気もします。
よくある話で、例えば算数の授業中に描いた落書きの方が
うまく見えることがある。ということはありませんでしたか?
その感覚に似ている気がします。

空想をするということは、すなわち
この「直感」を大切にすること、記録することが
とても重要であると思っています。…僕の場合は。

とは言え、ないもしないで直感が湧いてくることはないでしょう。
どこかで見た自然、生き物、映画、音楽、
体験した遊びやショッキングな出来事。
それらがいつの間にか混ぜ合わされて出てくるものだと思います。
あと大切なのはその思いつきを空想に変換しようとする「癖」がいります。

とりわけ「狐」と「雪」は僕に最高の直感を運んでくる
シンボルになっています。


「ファンタジーを運ぶシンボル」アクリル 2021

これらが揃って湧き出てきた直感を、どんな形にするか。
絵、文章、音楽、いろんな形に落とし込むことで
いよいよ自分の中の空想を外に解き放つことができるようになるわけです。

そこでいよいよ空想の旅が一区切りつくわけですね。
しかし旅というのは中々終わりがなく、
到達地点が始まりになることはよくあること。
そこからどんどん世界が広がっていくことになります。

そこで空想の旅 Vol.01で書いた、「ルール」
を作り込んでいき、
Vol.02で書いた「嘘と本当」を直感と織り交ぜていくことで
きっと独自の空想世界が出来上がっていくと信じています。
またその世界にあった画材、画法、もしくはピアノ、ヴァイオリン。
いろんな技術を混ぜ合わせることできっと素敵な作品が出来上がっていくのではないでしょうか。

今回で「空想の旅」は最終回となりますが、
この文章が少しでも空想をすることの楽しさ、
ファンタジーな作品を作る面白さのきっかけになればと思い綴ってみました。
空想を楽しみながら日々を過ごすことはとても豊かで、幸せな時間を過ごすことができますよ。


「どの草にしようかしら」アクリル 2021

…僕の場合は。

 

松野 和貴

松野 和貴
Profile
宝塚造形芸術大学 大学院(現・宝塚大学)造形研究科 修士課程 修了
フラコラ コラボレーションパッケージデザイン
上和電機 30周年記念絵本
YOLO HOTEL MUSIAM 壁画制作
その他、メニューや書籍、キャラクターデザインなどを提供
個展「内緒の部屋」 @日本橋
九×9 @天王寺
designhiro[Bar]と不思議な作品 @難波
イキモン展 @銀座
雑な家 vol.5 @中崎町
個展「ノアの不思議な動物図鑑」 @阿佐ヶ谷
アートストリーム2019 @心斎橋
Creators shoucase vol.3 @梅田
ODPドロフェス @南港
展覧会「平凡で風変わりなお茶会」 @天満橋
雑な家 vol.6 @中崎町
展覧会「平凡で風変わりな印刷所」 @京橋

 

Message
出来事や考え方、描きたいもの。
よく見る渡すと身の回りにはそういったモノやコトが
たくさん溢れています。
描く人はそれらをいろんな解釈で作品を作ります。
だから個性があって、魅力が詰まっているのだと思っています。
受講生の皆さまにも、想像する楽しさ、
それを表現する楽しさを少しでもお伝えできればと思います。