振替受講で銅版画制作の基本から技法を学ぶ

アートスクールの受講者の方々は様々なコースで日々、作品制作に切磋琢磨されておられます。版画コースでは、各コースでの学びを一層深めて頂く為、版画制作の振替受講を設けております。

 

今回ご紹介するのは、絵本コースから銅版画の制作にお越し頂き、3回目の制作の様子です。

銅版画には線の表現ひとつとっても直接、銅に描く、エングレーヴィングやドライポイント、腐蝕の過程を通じる、ラインエッチング(ハードグランドエッチング)やソフトグランドをはじめ、表現に応じた種々の技法が有ります。初回は、この銅版画の基本、線の表現から制作を開始していただき2回目からは、ラインエッチングで描いた輪郭から、色面や水彩のニュアンスを表現するアクアチントという手法を体験して頂きました。3回目となる今回は、本格的な刷りの作業に入ります。2回目で制作したアクアチントは版を作る腐蝕の過程はもちろん、使用するインクによって、色味や濃度が大きく変化します。特に銅版画特有の黒の表現を楽しんでいただく為、アメリカ製とフランス製の水溶性油性インクを採用し、個々の表現に応じてご使用頂けます。

 

 先ずは、版にインクを詰め、表面のインクを拭き取ります。

 続いて、プレートマークと呼ばれる部分についたインクをしっかりと拭き取ってやることで、紙からイメージが浮き立つようにします。

 

 今回はプリントする際に赤口と青口、インクによる黒の表現の違いを経験していただきました。画像では判別しづらいですが、実作品を見ると右と左で作品で黒の色味が異なる事が分かります。

 

 

 絵本コースで描かれている、イラストや挿絵から見せていただき、受講者の方々が描きたい作品を銅版画をはじめとする版画手法で表現していただきます。
「版画だから、こんな作品を作らないと…」、と思われがちですが、受講者の方が描かれるイメージを版画技法を介して、どのように変化するのかを楽しんでいただけると講師陣も嬉しく思います。

 

もちろん、版画コース単独での受講もできますので、三つの版画技法が学べる版画コース、様々な制作を楽しみたい方にお勧めです。

 

児玉 太一

児玉 太一
Profile
2013 京都市立芸術大学大学院美術研究科後期博士課程版画領域単位取得満期退学
受 賞
2017 “第10回高知国際版画トリエンナーレ” 奨励賞
2015 “5th NBCメッシュテックシルクスクリーンビエンナーレ” NBCメッシュテック賞
2014 “7th Split Graphic Art Biennial” Special Award
2014 “アワガミ国際ミニプリント2015” アワガミファクトリー賞
2014 “Carmen Arozena 2014” Second Prize
2014 “京展2014” 市長賞
2014 “17th Germen International Exhibition of Graphic Art Frechen” Honorable mention
2013 “International Silkscreen Exhibition Around the World” Special Award
2011 “Ⅳth International Print Exhibition Istanbul” Commendation for technical merit
2010 “Miniprint Finland 2010” Honorable Award
2003 “京展2003” 京展賞
作品収蔵
ラ・パルマ町議会/ ラ・パルマ島、スペイン
フランツマゼレールセンター/ カステルレー、ベルギー
ラハティ市版画家協会/ ラハティ、フィンランド
クルジュ=ナポカ美術館/ クルジュ=ナポカ、ルーマニア
Association of the Museums of Painting and Sculpture/ イスタンブール、トルコ
個展
2017 Art Osaka 2017 “layer/ image/ link” ホテルグランヴィア大阪
2010 “Irradiation” Gallery Yamaguchi Kunst-Bau, 大阪
2003 “accumulation” Nomart Edition Project Space LOFT, 大阪
主なグループ展
2017 “第10回高知国際版画トリエンナーレ” いの町紙の博物館, 高知
2017 “8th Split Graphic Art Biennial” The Old City Hall Split, スプリット、クロアチア
2017 “3rd Global Print Douro” Douro Museum, ドウロ、ポルトガル
2017 “Interaction of color” Gallery Yamaguchi Kunst-Bau, 大阪
2016 “TRIBUNA GRAPHIC 2016” クルジュ=ナポカ美術館, ルーマニア
2015 “日本の現代版画” The Old City Hall Split, スプリット、クロアチア
2016 “The 9th International Triennial of Small Graphic Forms VILNIUS 2016”
Vilnius Graphic Art Centre, ヴィルニュス、リトアニア
2016 “1st International Print Biennial in Łódź” Art_Inkubato, ウッチ、ポーランド
2015 “5th NBCメッシュテックシルクスクリーンビエンナーレ” 美術家連盟画廊, 東京
2015 “7th Split Graphic Art Biennial” The Old City Hall Split, スプリット、クロアチア
2015 “アワガミ国際ミニプリント2015” いんべアートスペース, 徳島
2014 “On paper” Sara Ramona, バルセロナ、スペイン
2014 “Gualan Internatioanl Print Biennial” China Printmaking Museum, 深圳、中国
Message
版画セミナー受講生の方々は木版・銅版・シルクスクリーン、
三種の技法で自由に制作されています。
少しでも関心を持たれたら是非、実際に体験してください。
様々な素材から皆様の作品に広がりが生まれることと思います。
ArtWorks

 

児玉講師が在籍している版画コースのコース紹介はこちらです。

 

 

お知らせ

 

版画コースは2018年2月21日(水)~、
これまでの『木・土・日』の 開講曜日に『 水曜日 12:00~15:00 』が新しく加わります!

それを記念してワークショップを開催します!
詳細は、以下のお知らせをご確認下さい。