漫画で使う『効果線』講座

こんにちは。マンガコースです。

当コースでは複数の課題を用意しており、ある程度の順番はありますが、受講される方のレベルや要望に合わせて組み合わせを自由に変更できるようにしています。とは言え、課題名だけ見ても「具体的にはどんなことをするのか?」「この課題の目的は何か?」ということは、分かりにくいかもしれません。体験入学をしていただいた方にはその時に簡単には説明させていただくのですが、初めての場所に来て色々な説明を一度に聞いて覚えておく事は難しいかと思います。ですので、こちらで簡単にそれぞれの課題について解説していこうと思います。

前回はペン先選びとカケアミについてお話しましたが、5回目となる今回は、前回の課題で選んだペン先を使って『効果線』の課題に進んでいきます。

教室では上記の課題プリントを使用して作業をしていきます。集中線は色々な用途に使用できますが、特にアクションシーンなどで迫力やスピード感を出すためや、モノローグなどの吹き出しに使われたりします。
今回全てお伝えするのは難しいため、効果線の一番の基本であるスピード線を紹介させていただきます。

まずペン先で定規を使って線を引く練習をしていきます。
定規のエッジ(厚みに傾斜がついている部分)をさかさまにして(エッジの向きはそのままで定規に1円玉などを貼りつけて、紙から定規を浮かす方法もあります。人によるので、ご自分がやりやすい方法で作業して下さい)、インクが原稿に足れないようにインクの量を調整しながらペンで線を引いていきます。これが慣れるまで結構難しいです。エッジをさかさまにすると定規と紙までに距離ができるので、線を引きたいところに引けなくてずれてしまったり、インクの量が多いとインクを引きずってしまったりします。
定規で線を引けるようになったら抜き(線の入りを“入り”、線の終わりを“抜き”といいます)の部分を払うようにして、細く消えていくように引いて下さい。その線を平行にたくさん引いてもらうとスピード線の完成です。

では、例を見ていきます。

図1は線の太さがバラバラで、平行に引けていません。線の太さは均一に、角度は全て平行に引くときれいなスピード線になります。さらにインクを定規で引きずってしまっています。ペン先にインクを付け過ぎなので量を調節する必要があります。また、定規にインクが付いてしまうと、インクを引きずる原因にもなるのでこまめにティッシュでインクをふきとりながら線を引いてください。
抜きも出来ていない線があるので、スピード線というよりただ線を引いた…という感じになってしまいました。スピード線は抜きがとても大事なので、その点に気をつけて練習していきましょう!

図2では抜きは出来ているのですが、先が曲がってしまいました。線が曲がってしまうと勢いがなくなってしまうので…ペン先を定規から離さないように気を付けて線を引いていきましょう!

図3はとてもきれいにスピード線が描けています。線の間隔や、長さもバランスよく自然な感じに仕上がっています。抜きもきれいですね。

このスピード線を引けるようにして、それから集中線、ベタフラッシュ、ウニフラッシュなどだんだん難しいものに挑戦していきます。

他の効果線やベタフラなどはこの応用にあたるので、スピード線をしっかり練習してからチャレンジしていきましょう!では頑張って下さい!

マンガコース 講師