イラスト・エクササイズ!

 これからイラストを描いてみたい、イラストをプレゼントしたい、イラストをたくさんの人に見てもらいたいと思われている方、イラストを描く前にまず軽くイラスト・エクササイズしてみましょう。イラスト・エクササイズとはイラストを作成するためのトレーニング方法のことです!

 アートイラストコースにはいろいろな方が在籍されています。学生さんからデザインの仕事をされている方、またイラストを仕事に出来たらと考えている方、もちろん絵を描くことについて初心者の方もたくさんいらっしゃいます。描くことに慣れている方でもそうでない方でも、自由にイメージを発想し、そのとおりに絵が描けたらなぁと思っているのではないでしょうか。上手く表現されたイラストでも、なにげなく簡単に描かれているようなイラストでも、出来上がるまでにはいろいろと紆余曲折があるのでしょう・・ここでちょっと卒業生のイラストの作り方を紹介してみましょう。

 上のイラストのラフ描きはスクールのリーフレット表紙の制作のために、卒業生でイラストレーターの中清水さんにお願いして描いていただいたものです。絵の好きな妖精のようなイメージですが、漠然とスケッチしただけでもいろいろなバリエーションができていますね。これらのバリエーションからスタイルやポーズ、表情などが選択されますが、そこからさらにバリエーションが生まれていきます。これらのラフスケッチは自分の思い描く絵を作る上で非常に大事なトレーニングです。
 では次のスケッチを見てみましょう・・

 妖精をさらに幼児のようにしてみたり、手を挙げてみたり花を持たせたりと、まだ試していなかった発想を加え、可能性を探ったり掘り下げてみたりしていますね。周りの植物のイメージもここで加えられてきました。いきなり完成させようとはせず、描画と発想のトレーニングをしながら何かが熟してくるのを感じるのも大事なことでしょう。

 おおかたのイメージが決まってきたところですね。正面を向いてキリッと立っている感じは、何かうったえてくるものがあるのではないでしょうか? 「これから描いていこう」、「これからいっしょに描こうよ」というようなメッセージ性をより意識したものになっていると思います。実際のスケッチはここで紹介させていただいた何倍もあるのです。
 では完成した透明水彩で描かれたイラストを見てみましょう!

 透明水彩のにじみの中からほわっと出てきたような、筆の妖精でしょうか、幼い日の絵心でしょうか、期待感やワクワク感が伝わってきますね。作家の内面から出ている楽しさや優しさが、イラストを通してメッセージとして広がっていくようです。
 このようにひとつのイラスト描きあげるにしてもたくさんのスケッチがあるのですね。これらのスケッチをデッサンと言い換えてもかまわないでしょう。 デッサンとは絵を描くための基礎演習という意味合いもありますが、ただ描写力を上げるためのものではなく、見ることを含め、試行錯誤の痕跡でもあり、想いを伝えるという表現の積み重ねの作業でもあるのですね。

 さぁ、イラスト・エクササイズを始めましょう! 

アートイラストコース
オカモト ショーゾー

イラストレーター 中清水 愛美さんのサイト
(イラストの他、絵本なども制作されています)