イラストを立体的に見せる上で大切な明暗の描写。光と影の関係

今回は主に、イラストを描く上での『光と影』を表現する上でのポイントをお話ししたいと思います。

●光源の向き
まずは光源の向きをしっかりと把握しましょう。
光あるところに影があり!光が遮られて影が出来ているので、どこから光が当たっているのかを
考えてから描きましょう。

●光との位置関係で影は変化する
同じ光源でも、立ち位置が光源に近いと影は短く、光源から遠いと影は長くなります。
光源からの距離で影の長さが変わります。
また夕方の地面に移る自分の影が、正午の影と長さが違うのを実感したことがあるのではないでしょうか。
正午の太陽は頭上くらいのなので影が短く、夕方の太陽は西に傾き影は長く伸びているのは、光源の高さが変わっているからですね。

●影の濃淡と反射光
影は一定の濃さでだけではなく、濃淡があります。
光源に一番近いところを中心に、影が徐々に暗くなっていきます。
どこが一番明るい(光源に近い)か、下図のように影の濃淡を単調化して考えると、
影の濃さの順番がつけやすくなります。

また、地面や周りの物体から反射した照り返し(反射光)で、影の中でも明るい部分が出来ます。
色の反射もしますが、物体の反射率でも変わってきます。
自然の中では色んなものの影響を受けているので、イラストでも意識して取り入れることで、
ますます存在感と深みのある描画表現になります。

●物の距離で影の輪郭は変わる
上記の『光との位置関係で影は変化する』に似ていますが、これはいわゆる『落ち影』のことです。
物体に光が遮られて影が出来ますが、その物体同士の距離でも影の表現は変わります。

・光を遮る物体が近い→はっきりした影
・光を遮る物体が遠い→遠くなるほど影の輪郭はぼんやりします。
そんな違いを描き分けることが出来ると、より説得力のある表現になります。

なんだか難しい・・・と思われたかもしれませんが、まずはこれらのポイントをちょこっとでも意識して描いてみてくだい。
そして、身近なモノの光と影を観察。どこから光が当たって、どんなふうに影が出来るか。
マウスとケーブル、机に置いたコップ、街路樹の影と太陽の位置など、観察してみるとたくさんのヒントがあります。

とはいえ理解してもいざ描いてみると、なかなか思うように描けないもので、(私も何度も経験しています・・・)
アートスクール大阪では、経験豊かな講師陣が実施も交えて指導にあたらせて頂いております。
沢山の教材資料や資料本も取りそろえているので、一緒に一つずつ勉強していきましょう!

 

吉川 奈緒

吉川 奈緒
Profile

専門学校にてアニメーション、ゲーム開発向け3Dやデザイン基礎を学ぶ。アニメ美術背景、テーマパークや地域のお土産商品の企画とデザイン、ゲーム会社で約10年ほどデザイナーとして携わる。

Message

作品作りはとても楽しいものですが、難しいものでもあります。描きたいけれど技法やアイデアで悩む、というのは誰もが直面することだと思います。そんな時こそ色んな意見や知識、作品に触れることは、新たな発見や成長に繋がると実感しております。描きたい!という気持ちを大切に、楽しく学ぶお手伝いをさせて頂ければ幸いです。

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