美術科の生徒さんをご紹介

 

日本画を描かれる生徒さんの30号程で少し大きいサイズの作品です。最近の日本画の展覧会では、洋画と見分けがつかないほど絵の具を厚く盛った作品が目に付きますが、作者は水干絵の具(泥絵の具)を主に使い墨で輪郭線の抑揚に気をつかい、枝の木肌の濃淡をつけたりされていて気品を感じます。扇面の形が見られますがこの作品はまず背景を揉み紙という手法などを使いながら描いて仕上げ、扇面の部分は別で描いて背景の画面に貼りこむというやり方で制作されました。

デッサン基礎科で描写力を学んでから日本画に移行されましたので形の狂いが生じて指摘しても臆することなく修正されていました。自宅では100号の大作も描かれているとの事、今後も意欲的な作品を期待しています!

美術科 谷野 剛史