STUDENT INTERVIEW

アートイラストコース asami さん インタビュー


 学校の勉強や進学の準備がある中で、イラストやデザインをアートイラストコースで学ばれているasamiさんですが、基礎演習の後、冊子の共同制作に関わっていただいたり、LINEスタンプやキャラクターを使ったグッズのデザインをするなど、しっかりと創作に取組んでいらっしゃいます。そして、最近かわいいメモパッドのデザインが完成したので、その制作の話やコースで学んだことについてお聞きしてみました。

●イラストを勉強しようとしたきっかけ


ーー早速ですけど、asamiさんは、アートイラストコースではいろいろな画材で、イラストだったり模写だったりいろいろな絵を勉強されていますが、絵を描いたりするのは小さいときから好きでしたか?またどんな絵を描いてましたか?

 『小さい時のほうが好きだったと思います。』

ーーヘぇー!小さい頃の方が無心に描いていたというでしょうかね。

 『現在描いている絵とあまり変化なく10年ほど前も動物を描いている事が多かったです。特にうさぎは出現率が非常に高かったです。』

ーーそうなんですね!なにかasamiさんのなかで、うさぎに対して首尾一貫した思いがあるのかもしれませんね。
  それからどのような経緯でイラストを勉強しようと思ったのですか?

 『高校一年生の時、将来はグラフィックデザイナーになりたいと決意しました。その際に特にデザイン力や色彩感覚をつけたいと思い、両方を得られるのはイラストを勉強することだと考えたからです。』

ーーなにか人に伝えたい。多くの人の目にとまりたいということでしょうか。それならアートイラストコースは最適ですね(笑)
  しかし、イラストの勉強でも時間が取られ、根気も必要と思います。学校の勉強との両立は大変ではないですか?

 『それほど大変ではないです。』
 『好きな時に通えるので、スケジュールが組みやく、私は家では絵はあまり描かないので、家ではすべき事を、アートスクールでは絵を描く事に集中と切り替えているので大変ではないです。』

ーー上手に時間を使い分けているんですね!デザイナーに向いてると思います(笑)
  ずいぶん前ですが、コミックイラストコースにしばらく振り替えられていましたね。そこで学んでみた理由とは何ですか?

 『ある時、女の子が座っている絵を描いていると、腕の曲がり方や背中の丸まり具合など人体の動き方が分からずどうしても不自然なフォルムになってしまうので、人体の動き方について詳しく学びたいと思ったからです。』

ーーそうだったんですね!すぐ近くにいろいろな講師がいて知りたいことがすぐ学べるので、上手な学校の利用法ですよね。

●メモパッドについて


ーーいつもかなり構想やイメージを固めるのに苦心しているのを見かけますが、最近制作していたメモパッドもだいぶ悩みながら制作していましたね。スケッチもたくさん描いていましたが、デザインするうえでどこが一番大変でしたか?

 『一番悩んだのはキャラクターの配置とポーズです。全体のバランスを考えながらキャラクターのシュールさを生かすポーズを試行錯誤ました。』

ーーただかわいいだけのキャラクターではないので、企画としてポーズや全体の配色などでより伝わるように工夫する必要があるんですね。でも、このユニークな動物のキャラクターはどのように思いつくのですか?

 『なんとなく描きたい動物にキャラ設定を付けて、この動物がこんな性格だったらどんな行動を取るだろう?どんなフォルムだろう?と考えているとこうなりました。』

ーー他のイラストレーターさんを参考にしたり比較することはありますか?

 『あまりしないです。私の場合、「すごく良いな」と思うと影響を受けすぎて寄せ過ぎてしまったり、比較をしてしまうと、自分の絵に自己的な価値も見失ってしまったりするので…。』

ーーデザインするうえでよい心がけだと思います。


ーーキャラクターの発想に関していえば、ビジュアル的なイメージ以外からも、例えば、音楽とか本とかからも感性を触発されたりすることはありますか?

 『美味しそうな食べ物には感性を触発させられます。私の絵には食べ物が沢山でてくるのですが、私がその時に食べたいと思った物を絵に描いてしまっているのかもしれないです。』

ーーそれは楽しいですね!確かに食べたりする行為は想像力と深い関わりがあるかもしれないですよね!何かasamiさんの発想の秘密をかいま見れた気がします(笑)
  それで、たくさんのスケッチの後、PCでの作業になっていくわけですが、デジタルを含めて実際の作業で難しいと思ったところはどこでしたか?

 『デジタル上で手書き風にペイントすることです。ゆるいイメージなのでリアルめな塗りにならないように少し斑を出したり筆ツールを変えてみたりと加減が難しかったです。』

ーーなるほど!そこは多くの人が悩むところでもありますね。デジタルを一つの画材として見た場合、あまりにも強力なのでその加減が難しいというか・・
  出力してみた感想はどうでしたか?メモパッドの試作品まで作ってみたらよかったかもしれませんね(笑)

 『やはり、物になって出てくると達成感や満足感があります。自分ならこんな風に使うかもと想像が膨らみとて も楽くなりました。』 ーー直接に手に取って触ったり見たりするのはデザインの仕事では大事なことですね。

●アートZINE、マザーグース・・


ーー話変わって、以前にコースの有志で制作するアートZINEに参加されていましたが、あのアップルパイの唄のイラストは可愛くて怖い、まさにマザーグースにぴったりの挿絵でしたね。この唄を選んだ理由などありましたら聞かせて下さい。

 『小さい女の子独特の少しませた感じと好きな物を少しでも多く食べたいという願望を言い訳を使って叶えようとママにおねだりしている所がとても愛らしいと思ったからです。』

ーーやっぱり食べ物がからんでるんですね(笑) なんか茶化しているようですが、そういうのは非常に大事ですね。



 「願望」「愛らしい」という言葉がでましたが、イラストの構想から実際に絵にするのも大変ではなかったですか?

 『まず絵にする前に構想を練っている時になかなか良いアイデアが降ってこない時が一番大変でした。』

ーーその過程での工夫などありましたら教えて下さい。

『工夫は考え込んでは気分転換を繰り返す事です。考えていた事が気分転換している時にパッとまとまる時があります。』

ーーとてもよい方法ですね!自分を信じているということでもありますよね。
  そして先にお話ししたとおり、この絵はasamiさんの持ち味といいますか、テイストを上手くマザーグースにマッチさせていると思うのですが、自分の持ち味やオリジナリティーについては意識してたりしますか?

 『それほど意識はしてないです。今回はこのゆるさが逆に怖さを倍増させると考えたので、いつも通りにゆるいテイストで描きました。 』

ーーそれがかえって良い結果になっているのかもしれませんね。
  このような挿絵や一枚絵なども、今後描き続けてほしいと思います。見てて楽しいですしね(笑)

 『この企画で挿絵というジャンルに触れみて文章から想像をめぐらす楽しさを知ったのでまた描きたいです。』

ーーぜひ機会があったら挿画というジャンルにもまた挑戦してください!

●これからのこと


ーーだいぶ前にか、コスメ系のデザイン、パッケージなどに興味があると伺ったことがありますね。何かそれについて自分だったらこういうのを作ってみたいとか、現在も具体的に思いめぐらすことがあったりしますか?

 『具体的ではないかもしれませんがコスメの容器の形などにこだわった物を作りたいと考える事はあります。』

ーーおもしろそうですね。商品によってはサイクルが早くいろいろな形状のものが出てきますよね。そういうものにもチャレンジできるといいですね!


  まだしばらくはスクールに通えると思いますが、在校期間中にこれはやっておきたいということを聞かせて下さい。

 『ゆるさとオシャレさを兼ね備えたようなTシャツは作ってみたいと思ってます。』

ーーぜひ作ってください!オシャレでかわいくて自分で着れるものを!モノプリントでもいいですし、版画コースでのシルクスクリーン印刷もいいですね。
  では最後に、いま一番興味のあることを教えて下さい。スクールとは関係ないことでもかまいませんよ(笑)

 『お菓子作りです。基本は焼き菓子を作るのが好きなのですが、今度は違うジャンルに挑戦しようとおもってます。』

ーーお菓子作りもイラストと同様、試行錯誤ですよね!おいしいクッキーなどを食べながらまた何かイラストのアイデアが浮かんでくるかもしれませんしね(笑)
  今回はいろいろとお話を聞かせていただきありかとうございました!今後もasamiさんの作品に期待しています!

 『ありがとうございます。』

 

インタビュアー : アートイラストコース オカモト